2023/02/01

秋田市の市街化調整区域の制限はとても厳しい 2023.05.08更新

 
郊外のイメージ写真:妻の実家の元果樹園です
 
◯2023年3月13日に、秋田市役所都市計画課の職員から過去の説明の訂正がありました。市街化調整区域の店舗の要件について、「売上」の過半を当該地域でとの説明は、「客数」の過半を当該地域でというのが正しいそうです。それに合わせて、本文も一部訂正します。
 
下記のpdfは説明用資料として作成したものです。  
 
最初に秋田市の市街化調整区域についてまとめた別の記事です。
◯秋田市の市街化調整区域の記事へ
 
以下、本文です。
 
 2021年春から郊外への引越し先を探していましたが、2022年の後半にここが良いなーという場所がありました。秋田市郊外の市街化調整区域の都市計画法第34条11号指定区域にある、農地付き小屋付きの空き家です。仕事環境を縮小せずに引っ越しできる見通しが立ちそうでしたが、秋田市役所の都市計画課から、小屋を仕事や店舗に使うことを認めてもらうことができず、私の引っ越し計画は中断中です。(文中の都市計画法第34条11号指定区域などについては、この記事の後半に説明します。)

 秋田市の農業委員会に農地の取得について相談していたところ、秋田市役所の都市計画課からの話しも聞いてほしいと、2022年12月に連絡があり市役所に行きました。農業委員会から都市計画課に、小屋を利用する私の計画が伝わり、呼び出されて都市計画課から聞かされたのが、地域の外から顧客や教室の生徒さんが来るので小屋を店舗にすることは認められないと言う話でした。こちらから正式に店舗利用の申請をしたわけでもなく、引っ越し後の事業についての詳しい説明をしたわけでもありませんが、農業委員会からの又聞きでいきなり認められないという説明を受けました。
 
 市街化調整区域における店舗についての秋田市の基準では、驚くことに地域の外からお客さんが来るとダメなのです。すでに人口が減り高齢化が進み、既存の商店の廃業が進んでいる狭い当該地域の中だけで、売上 客数の過半を占める事が小屋を店舗として利用するための要件でした。公開されている資料では目にしていなかったので、市役所内の関係者だけが知る前例踏襲の内規なのではないかと思います。
 
 私の仕事内容であれば、郊外でもやっていけると考えていましたし、既存の空き家や小屋を利活用するのは良いことだと思っていました。農地も取得して休耕中の畑も耕す予定でしたので、上達したら小屋で野菜の販売もできたかもしれません。家族で引っ越して、地域の居住人口が増えることは良いことだと思っていました。交流人口や関係人口の拡大ということもよく言われるようになっていますので、まさか地域の外からの来客がダメ要素になるとは思ってもいませんでした。
 
 現在私は中心市街地の小規模な町内会の会長を務めています。当たり前のことですが、自治会にはそこに暮らす住人の存在が必要です。ゴミ集積所の維持や冬季の除雪などには町内の住人の協力が必要ですし、普段からのコミニケーションも人がいるからこそ成り立ちます。地域の連合会への納付金なども町内の軒数で決まります もしも町内に引っ越してきたい人がいるのに、それが秋田市の制度や業務で妨げられるとしたら、自治会の立場としても非常に残念な事だと思います。
 
 引越し先の地域にお住まいの方たちには迷惑を掛けたくありませんので、周囲の家の配置や道路環境、そして来訪者の動線も検討し、空き家の所有者や近所の人とも話しをした上で引っ越すことを考えていました。私は秋田駅から歩いて数分の利便性の高い中心市街地に長年住んでいますが、近くに商店なども無く空き家が目立つようになっている郊外の既存集落に引っ越すに当たっては、様々な事を考えましたし覚悟も決めています。でも、そんなことはお構い無しです。
 
 とにかくその地域の住人の利用で商売が成り立つような業態しか許可対象にならず、地域の外から人が来て利用してもらえる業態は、マイナス要素にしかならないのです。現在の社会環境の中で、まさかこんなことを秋田市役所が行っているとは、全く予測できませんでした。そのため、お客さんや生徒さんが市内全域はもちろん市外・県外からも来るので郊外でも事業が成り立つことを、農業委員会にはプラスの要素として積極的に説明していました。それが全て実はマイナス要素にしかならないものだったので、わざわざ呼び出されて都市計画課からダメ出しされたのです。
 
 初対面でのダメ出しでしたので、もちろん私の事業について都市計画課に対して直接の説明などはしていませんでした。事前の聞き取りもなく農業委員会からの又聞きで短絡的に空き家の利活用の禁止を伝えられたのは、禁止することが通常の業務になっているからなのだと思います。市役所を利用する市民としては、制度を詳しく説明していただいて、できる方法を一緒に考えてくれるような対応を期待したいところですが、残念ながらそのような対応ではありませんでした。
 
 そして、都市計画課からは顧客名簿で顧客の住所まで確認すると言われましたので、何の権限で今どきそんなことを言うのか理解に苦しみましたし、個人情報への配慮は無いのかと不思議に思います。新規開店の店舗であれば、見込みや計画の説明しかできないと思うのですが、具体的に顧客名簿を確認しているのか質問すると、市の職員は過去の例をあげて確認していると言うのです。見込み客リストか商圏の想定みたいなものだと思うのですが、それだったら私も準備することはできます。計画や予測や希望を書類にすることはできますが、やる前から間違いなくこうなると事前に確認できることなど、ほとんど有りません。本来であれば、顧客名簿よりも地域の活性化に貢献することや、地域の人にも利用していただけるように努める姿勢が重視されるべきだと思います。
 
 顧客が外から来て、住所確認などをしないと考えられる飲食店は、もとから対象外との説明もありましたが、それでは地元の人が利用できる飲食店もできません。おそらく他の自治体では見られない制限だと思います。顧客名簿ありきと言う発想自体が、そもそも謎です。飲食店以外でも顧客の住所確認はしない事が多いでしょうし、私の店でも購入してくださる人の氏名や住所をいちいち確認したりはしません。個人情報を尋ねることは、相応の理由が無ければ行いません。
 
 多くの自治体では、普通に飲食店も対象になりますし、コンビニエンスストアなども対象になることが多いようです。秋田市では対象業種が明確にされていませんが、複数の人からコンビニエンスストアができなかった事例を聞いたことがありますので、コンビニエンスストアも対象外になっていると思われます。資料を調べてみると、ドライブインやガソリンスタンド併設のコンビニエンスストアは認められる規定があるようで、ガソリンスタンド併設のコンビニエンスストアはだいぶ前に一時話題になったことがあったと記憶しています。でも、普通にコンビニエンスストアも対象業種にしたほうが、地域の人の利便性の向上につながると思いますし、ガソリン車が減っていく事が明らかな現在の社会で、ガソリンスタンドをベースにしたコンビニエンスストアの規定が何の意味を持つのかわかりません。
 
 市街化調整区域の店舗については、基本的には当該地域の住民の利便性を図る必要があるために限定して認められるものなのですが、秋田市の要件はたいへん厳しいものです。また、多くの自治体では日本標準産業分類を用いて、対象となる業種を明確にしています。経済活動の変化もめまぐるしいので、日本標準産業分類も完全だとは思いませんが、行政と市民が共有できる情報があるということは重要だと思います。他県の自治体で公開されている詳細な情報などから、私の仕事は業種としても問題ないと考えていましたが、秋田市役所からは業種も対象かどうか怪しいと言われました。秋田市の場合は、店舗の対象となる業種を明らかにしておらず、そのときどき市役所の職員が判断するとのことでしたので、一方的で透明性に欠けている状態です。
 
 秋田市役所の職員に、どんな業種であれば秋田市役所の定める売上 客数の過半を当該地域でという要件で成り立つと考えているのか尋ねましたが、具体的な答えはありませんでした。たとえ店舗を許可したとしても、事業が成り立つかどうかは秋田市役所には関係ないと言われました。でも、そのような姿勢では地域の利便性は確保できず、既存集落の維持にも活性化にもつながりません。市役所も店舗を運営する市民も、双方が事業を継続できると見込める条件の中で話し合いをするのが、本来の姿なのではないかと思います。
 
 それから、市街化調整区域よりも市街地から離れた都市計画外の区域であれば、店舗も可能であると都市計画課からは説明されました。市街地から遠い郊外に店舗があるのを見て、そういう事実があることを漠然と私も知っていました。現実としてそういう制度になっていることを説明するのは、市の職員として正しい態度だと思います。
 
 でも、市街化調整区域内の既存集落には、もともとまとまった戸数の住居があるので、利活用するべき空き家の数も多くあります。この現実として存在している空き家の利活用の制限を厳しくしている一方で、生活の利便性が市街化調整区域の既存集落よりも整わない都市計画外の区域に誘導するような説明になってしまうことには問題があり、制度運用自体に不備があるように思います。どうしてこのような状態が長年にわたり良しとされているのか、現在の社会情勢の中でも見直しが進まないのは何故なのか、とても不思議に思います。
 
 どうしても小屋を店舗に使うことができないならば方向を変えて考えるしかないと思い、家を店舗兼用住宅として使う妥協案も打診しましたが、今度は業種が対象外と言われました。もはやダメと言いたいだけなのだろうかと、そんな印象を持ちました。
 
 その後しばらくして確認できたことは、店舗兼用住宅で工芸品を作るアトリエとしてだけは認められるということです。ただし、そこで販売するのはダメ。外からお客さんが来るのもダメ。という条件であれば認められるというものです。つまり、今の業態での仕事は廃業して、私にとってはまるで隠居生活みたいなものだけは認められると言うことです。とある商工団体の人からも、一度廃業して今後をあらためて考える案が冗談半分にありましたが、切実な問題で笑えない状況です。
 
 11号指定区域の店舗兼用住宅では、実は各種教室も認められているのですが、私のレザークラフト教室は地域の外から生徒さんが来る事がやはりダメ要素となり認められません。日用品の販売も認められているので、日本標準産業分類をもとに考えれば私の事業内容もいくつかの項目に該当しますが、秋田市役所の職員の判定では対象外とのことです。日用品とは何なのか質問しましたが、唯一答えとしてあったのは食料品でした。日用品は日常生活に用いる物品ですので、本来は食料品とは別に様々な物品が日用品には含まれます。日用品を用語のとおりに解釈すれば、対象となる業種や事業内容も多岐にわたりますが、秋田市役所の職員が考える日用品が何なのか判然としません。具体的な情報が非公開でその時々の市役所職員の判断により決められるので、市民の側からは正確な情報や詳細はわからないのです。
 
 移住希望者が同様に郊外での起業を考えた場合でも、私と同じ要件で判断されますので、せっかく秋田市の郊外での活動を考えてくださる移住者がいたとしても、その実現はたいへん難しいものです。移住促進のPR動画で紹介されているような農村地帯に移住し、そこで農業以外の分野で起業を考える人に門戸を開く制度運用は、秋田市にはありません。全国で最も人口減少率が高い秋田県の県都である秋田市で、どうしてこのような制度運用を行っているのか理解に苦しみます。市街地と郊外の距離が近いことは秋田市の特徴であり地理的価値の一つですが、市街地から近い郊外の価値を十分に活かすことが、移住定住促進の面からも現在の秋田市ではできないのです。(河辺・雄和地域の緩和指定区域だけ、要件が異なります。)
 
 人口が急速に減少する現在の社会の中では、人口の確保には自治体間の競争があるわけですが、秋田市には来る者を拒む状態がありますし、秋田市で学んだ学生などが郊外での起業を考えたときにも、それに対応できない制度と運用の不備があります。このような状態では、若者に限らず郊外での起業を考える人が、秋田市以外の自治体に移住してしまうことも考えられます。移住定住促進に積極的でまちづくりの活動も活発な自治体に、すでに人材が流出しているのではないかと、そんなことも思います。私自身も、他の自治体への移住を今後考える想定もしていますし、そうせざるを得ない状況が秋田市にはあります。
 
 市街化調整区域は基本的には県が定めたものですが、秋田県内では秋田市と潟上市だけに市街化調整区域があります。秋田市の郊外は、市街化調整区域になっていることが多いのですが、市街化調整区域はもともと開発規制があり、土地や建物の利用法に制限のある区域です。それでも地域の維持と住民の利便性の確保のために制限を緩和する法令もありますし、急激な人口減少で市街化調整区域の既存集落の衰退が著しく進んでいる現状に対応するために、さらに法令を柔軟に解釈し運用することや、既存建物や農地付き空き家の利活用を図っていくことが、国土交通省の各種の資料や開発許可制度の運用指針などでも明確にされています。 

 今回の私の計画も農地付きの空き家を取得するものでしたが、市街化調整区域の制限に加えて農地を取得するにもハードルがあります。そこにさらにガチガチの制限のある開発許可制度の運用をしていては、活用できるものもできなくなってしまいます。急激な人口減少と少子高齢化で、社会の開発圧力はすでにしぼんでいますし、すでにインフラ整備が進み長く人が住んできた既存集落内の土地や建物を活用しても、新たなインフラ整備やスプロール(無秩序な市街化・都市化)などの可能性はほとんど無いと考えるのが妥当です。市街化調整区域においては、衰退の進む既存集落の維持と活性化が現在の社会での主たる課題なのです。
 
 ですが、秋田市の都市計画課の法令の解釈と運用はとても古く厳しいもので、店舗について私が受けた説明は、1968年(昭和43年)の法令の施行以来ずっと、見直しをせずに変えていないとのことでした。この頃私は5歳前後で秋田市茨島に住んでいました。近くの国道をまだ馬が荷車を引いて走っていたのを見た子供のころの記憶があります。行商のおばちゃんがリヤカーの荷台の氷の上に魚を載せて売りに来ていたのも覚えています。一面の田んぼで現在の卸町の造成が始まったのは、私が小学生になる頃だったでしょうか。このような当時活発化していた大型開発を制限し、スプロール(無秩序な市街化・都市化)を防ぎ、農地を維持するなどの目的で、実際に市街化調整区域が秋田市で定められたのは、1971年(昭和46年)のことです。
 
 そんな時代から見直しがされていないというのですから、それでは現在の社会が直面する課題には対応できません。県外の事例を調べましたが、国土交通省の指針にのっとり、時代の変化に合わせて、多くの自治体で法令の解釈や運用を現代的に変えていました。
 
 参考に、私が調べた中でスマートで現代的だと思った、三重県の第34条1号店舗についての運用内容が書かれているページへのリンクを、下記に貼り付けておきます。担当課の職員の方とも話をしましたが、話の内容もたいへんわかりやすく、原則として公開されている内容で判断をしているのことでした。

 
 どうして秋田市役所の都市計画課が見直しをしないのかはわかりませんが、厳しい要件の中では、実質的に都市計画課から認められる店舗はほぼ無いと思われますので、店舗についての開発緩和措置の法令の実効性が十分ではないと思われます。おそらくそれは、地域の住民の利便性も必要とする法令の趣旨にも反することになります。要件が古すぎて現在の社会の状況とも全く合っていないと思われますので、変えていく必要があるはずなのですが・・・。

 店舗についての法令以外にも、市街化調整区域の開発の緩和措置はいくつかありますが、秋田市はできるだけ認める開発を少なくすると言う方向で考えていると思われます。調べてみると、秋田市の都市計画書の内容と実際の制度や業務に整合性が無いと思われることがありました。国土交通省の方針が秋田市の制度や業務に十分に反映されているとは言えない状態もあります。秋田市の都市計画を定めているのは他ならぬ都市計画課なので、言ってることとやってることが違うのではという思いを抱きました。計画は今どきの考え方や言葉を使って、国土交通省の方針に沿ってまとめられているのに、実際の運用がそれに合わせて見直しされていない状態があるのではないかと想像しています。
 
 秋田市には都市計画課が作成した秋田市総合都市計画というものがありますが、 現在は第7次の計画になっています。10年毎に作成される計画ですが、1991年の第4次秋田市総合都市計画は、将来人口を40万人として計画が立案されていました。10年後の第5次計画では2020年の将来人口を33万人としていましたが、実際には2020年の秋田市の人口は30万5千人ほどでした。第6次計画では2030年の将来人口を26万人と予想しています。最新の2021年の第7次計画では、2040年の将来人口が24万5千人ほどになる推計値が示されています。明確な人口減少の予測のもとの計画になっているはずなのですが、制度や業務が深刻な人口減少を前提にしたものにアップデートされていないのではないかと思います。右肩上がりで人口が増える前提の社会の時と同じような古い感覚のままで、前例踏襲の制度や業務が続いている面がありそうな気がします。
 
 以下に、都市計画課が作成した複数の現行の計画書から、農山村や市街化調整区域の既存集落について書かれている部分をいくつか紹介します。
 
◯農村集落のコミュニティの維持:将来においても後期高齢者が増加していく見込みであり、その傾向は郊外部や集落部ほど顕著であり、地域コミュニティの維持が求められます。

◯農業集落では、地域が持つ魅力やストックを生かし、都市住民との交流拡大や移住 、二地域居住策を進め、コミュニティ形成の維持・活性化を目指す。

◯市街化調整区域の空き家等では、都市計画制度の導入などにより、農産物の産直施設や農家民宿、体験農園等としての利活用を促進し、都市と農村の交流の場の創出と地域の活力向上を検討します。

◯既存集落の維持・活性化や企業誘致等の本市の産業振興に資する計画的な開発は、都心・中心市街地および地域中心への影響や市街化の促進など周辺環境への影響等を勘案し、許容するものとします。

◯集落部においては、市内外からの移住・二地域居住の受け皿として、空き地・空き家等低・未利用地の活用を促進します。 
 
◯区域指定した既存集落において、コミュニティの維持を目的に、移住・定住や二地域居住を推進することとし、長期にわたり適正に利用された既存建築物に対する弾力的な運用を行う。(空き家の賃貸住宅としての活用等)

 以上のように、計画の上では既存集落の維持と活性化は都市計画課にとっても重要な課題ですが、そのために実効性のある十分な対策は立てられていません。私のように、既存集落の空き家の活用を考えても、門前払いされる市民が少くないのが実情です。秋田市の開発許可制度の詳細を調べてみると、中には二地域居住を妨げるような規則もあります。都市計画課の制度運用を見る限りは、人口減少が前提の社会に対応できていませんし、本当は既存集落を潰したいと思っているのだろうかと思うほどです。

 こういった姿勢とは真逆のことですが、秋田市役所は外旭川の市街化調整区域や農業振興地域を、イオンを事業パートナーとして共同で特例的に大規模開発することを計画中です。大規模な新たなインフラ整備が必要となり、人口減少が続いていく秋田市にとってはスプロール(無秩序な市街化・都市化)と言ってもいい内容だと思います。
スプロール(無秩序な市街化・都市化)は、都市計画法の中で最も避けるべき事とされる一つだと思います。本来ならば開発行為が厳しく制限される地域で秋田市役所とイオンだけは特例で開発をすすめる一方で、既存の物件の利活用という新たなインフラ整備などの必要のない、当然とも言える市民の通常の活動は強く制限するということをしています。自らの計画で市役所とイオンだけを特例で自己優遇するような業務が、税金で運営される市役所に認められるとは到底思えません。空き家などは急速に増え続けており、対応は待ったなしの状態ですから、市民に意地悪をしないで、市民の活動を後押しするくらいに寛容で現代的な姿勢を見せてほしいと思います。
 
 秋田市役所は、市民ともっと空き家の利活用に前向きで建設的な話ができないのだろうかと思うのですが、実は「ともにつくり ともに生きる 人・まち・くらし」という秋田市の基本理念があります。市の「県都『あきた』創生プラン」の表紙などにも書かれています。具体的には誰と何を「ともに」つくるつもりなのか私にはわかりませんが、大企業をパートナーにするだけでなく、既存集落の維持と活性化のためにもなる活動をする市民のこともパートナーと考えて、社会環境の変化に対応した「ともに」つくる姿勢を見せてほしいものです。
 
 私の店の目の前には、あきた芸術劇場ミルハスという秋田県随一の文化施設が昨年オープンしました。建設された場所は第一種住居地域です。市民の共有財産であるはずの、久保田城跡の貴重な遺構を地層ごと破壊して建設されました。本来は3,000㎡までの劇場しか建設できない用途地域ですが、そこに22,653㎡と桁違いの面積の大型劇場を造ったものです。外旭川も同様になると思いますが、自らの計画には秋田市役所が特例的に建築許可を出しています。大規模な工事でしたので4年近くの工事期間中は音や振動などが大きく、町内住民に健康被害などもあり大変でした。ミルハスは狭い敷地にパズルのように機能をはめ込んだ設計です。そのため機能性が良くないと思われる箇所がありますし、安全性に配慮の足りない箇所もあります。建設工事完了後も対応が可能だと思われるいくつかについては、町内会から要望して追加工事を行っていただいています。様々な不都合を間近に見ると不安に思うことも少なからずありますが、造ったからには少しでも良い状態になってほしいですし、協力できることは協力したいと思っています。ミルハスでの催事が多く行わている日常の事はもちろんですが、建物の周囲のうち2面は外堀に面していますので、万一の災害やトラブルでミルハス利用者の避難誘導が必要な時にはどのような状況になるのかなどについても、考えておく必要があります。本格的な避難訓練が行われた様子はありませんし、災害時にはホールにとどまる方針を行政からは説明されていますが、それでは対応できない状況を想定して、隣接して住む住人として思いを巡らせています。
 
 秋田市役所の都市計画課にも、市民に対して古くからの前例踏襲を第一とせずに、市民と協力する姿勢を持って、いま必要な対応ができるようになってほしいと思います。市民にダメ出しするだけでなく、良い方向を見い出せるように市民と対話し協力して、ともに行動する姿勢を持ってほしいものです。市民には古い前例踏襲を押し付けて、市役所だけ特別に何でもできるみたいなやり方では、市民の理解は得られないと思います。
 
 以前は1年で1万人ずつ県人口が減っていく状態でしたが、先日の報道では、半年で1万人県人口が減ったと言う記事も目にしました。全国で最も人口減少と高齢化が進んでいる秋田の状況を考えれば、どこよりも率先して地域の衰退に歯止めを掛ける施策を柔軟に考えて実践していかなくてはならないはずですが、今回の経験から、実際には硬直した古い考え方で市民の活動を制限している状態にあるように思いました。市街化調整区域や既存集落にある空き家の積極的な利活用を妨げ、市民の持つ資産の価値を損ない、市民の活動が活性化しにくい状況を、秋田市役所がつくっている面があると思います。
 
 いまは国全体としても、急激な人口減少とそこから派生する様々な問題に対処するために、家や土地の使い方を柔軟に考えていく方向にありますので、秋田市役所も変わるしかないと思います。市街化調整区域の既存建物の用途変更については、柔軟に実施していく方向を国土交通省はすでに打ち出していますが、今年(2023年)は市街地の住宅地でも柔軟な用途変更を認める法改正が国会に提出されるようですので、市街地も郊外も柔軟に利活用を図っていくのが世の中の流れです。そうしないと各所の衰退に歯止めがかからず、せっかくの「不動産」が「負動産」になり、やがて「腐動産」になっていくという流れが止まらず、待ったなしで手遅れになっていきます。
 
 柔軟な用途変更により空き家の活用性が高まり、郊外の空き家などの不動産の取引が今よりも活発になれば、例えば10件の取引で億単位のお金が動くことにもつながります。市街化調整区域の物件に単価の高いものはほとんどありませんが、それでも取引が行われれば土地も家も面積が広い場合が多いですから、所有者と購入者の間で数百万円から一千万円単位のお金が動くことも考えられます。そして、修繕や改修などが行われれば、建築会社や工務店や資材店などの事業活動にもつながりますし、金融機関の融資につながることも考えられます。柔軟な制度運用は、コストのかからない経済対策にもなるものですが、秋田市の硬直した制度運用による経済的な機会の逸失は、おそらく相当な金額になると思います。そして、空き家が利用されず廃墟になっていくということは、せっかくの「国民の貴重な資産(国土交通省の『農地付き空き家』の手引きより)」が無駄に消えていくということになります。
 
 もともと持ち家率の高い秋田で、現在のように高齢化と人口減少が急激に進むということは、それと同時に空き家率が急激に高まり、人口に対しての未利用物件が処理できないほどに多くなるということですから、問題の深刻化のスピードは今後もさらに加速度的に増していくのだと思います。

 今回のことでは、よく言われる役所の縦割りの弊害も強く感じます。移住定住を促進する部署や農山村振興も含めた産業振興を推進する部署と、都市整備部・都市計画課の間で、業務や制度の十分な調整やすり合わせが行われていません。これでは、市役所という一つの組織の業務が効率的に行われず、せっかくの各課の計画や業務の実効性が損なわれて無駄になります。それは税金が無駄になると言うことでもあります。
 
 都市計画課については、自らの計画書と実際の業務や制度のすり合わせも不十分な状態ですが、これは変えようと思えばすぐにでも変えていけることです。開発許可制度の運用の細則は、都市整備部の部長決裁で決められていますので、都市計画課と都市整備部が時代に合わせて見直すと決めれば、実現できるはずのことです。1号店舗の売上 客数の過半を当該地域でという要件などは、公開されている公式な文章にもなっていない都市計画課の内輪の前例踏襲の要件だと思われますし、やる気さえあれば現状を変えていくことができるはずなのです。
 
 人口減少や空き家の増加などの地域の衰退の問題では、対応策をできるだけ早く実施していくことが重要です。使えるうちに使わないと、家は廃墟になっていきます。空き家の管理については、税制上も規制が厳しくなっていきますので、同時に流動性を高めて利活用しやすい制度の整備をすることは、市役所の責務です。市役所は変えることを好まない組織なのかもしれませんが、これらの問題にのんびり構えている余裕はありません。
 
 2023年4月から、農地を取得する時の下限面積制限が撤廃されて、1000㎡以下の農地でも取得が可能になりました。農地付き空き家や小規模な農地の活用性や流動性を高めるための措置だと思います。私が引っ越ししたいと思っている農地付き小屋付きの空き家も、この法令の変更によって取得可能になる予定でしたが、秋田市役所から小屋で事業を行うことが許可されないので、引っ越ししても収入が得られず生活が成り立ちません。
 
 この下限面積制限の法令の変更以前に、空き家に付属する農地は特例で小規模での取引が可能でしたが、秋田市では一件もこの特例を利用した農地取得はありませんでした。もしかしたら、新制度のもとで私が秋田市で最初の小規模農地の取得者になるかもしれない状況だったのですが、下限面積制限の法令が変更されても、他の秋田市の制度が追いついていないので、私が希望する農地付き小屋付きの空き家を取得することは現実的ではありません。世の中の変化に、秋田市役所が対応できていないことを痛感します。現在の社会問題に対しての危機感が不足しているのではないかと感じられますし、空き家の利活用や既存集落の維持と活性化について思考停止の状態にあるのではないかとも思います。
 
 私が数百㎡の農地を耕作したからと言って、将来も農地を守るという大義の役に立つわけではありませんが、小規模な農地でも市民により数多く維持されていけば、その面積もまとまったものになります。休耕地として何年も放置されれば、再び農地として使うことが簡単にはできなってしまいますが、集落内の小規模農地を維持しながら既存建物を利活用し既存集落の維持を図ることは、 市街化調整区域や11号指定区域を定めた主旨にも合致するものです。私の場合は半工半農的なものになりますが、農地が身近にある暮らしは真に秋田らしい生活だと思います。市街地から遠くない郊外でそれを実践できるのは、秋田市の魅力の一つにもなるはずのものです。食料自給率の問題や食の安全保障の問題を考えても、身近な取り組みは大切なことだと思います。小規模とは言え、農地を取得するところから取り組んでいくのは私にとっては簡単なことではありません。どうして既存集落の農地付き空き家の利活用の後押しをしてくれないのか、どうしてもっと柔軟に利活用の推進をすることができないのか、秋田市役所の制度と業務が不思議でなりません。
 
 私は中心市街地で店も家も長年借りて暮らしてきました。どちらも古い建物なので、私が引っ越した後は解体されると思います。私には実家と言える存在がないので、自分の子や孫のためにも実家と言える家族の拠り所を、人生の終盤につくりたいと思っています。私の子どもたちは成人し皆秋田市に住んでいますし、孫も秋田市にいます。人口減少や少子化の課題の上では、秋田市にかなり貢献していると言えると思います。友人の所有する農地付き小屋付きの空き家を取得して活用し、事業も行い農業も行い家族の拠点づくりもするという私のささやかな計画は、現在の社会状況の中で秋田市に必要とされるものだと思っていましたが、実際には秋田市役所の制度と業務では実現が難しいという事実に直面し、秋田市役所の昔ながらの頑なな市政の壁に阻まれて先が見通せず、どうすれば良いのかわからず私も思考停止に陥りそうです。
 
 引っ越しの計画が行き詰まってしまった私は今後どうするべきなのか、いまのところ考えが定まりません。引越しに備えて地域の郷土史の本を買い、畑の本も3冊買いましたが、引っ越し計画が暗礁に乗り上げてしまい、それらの本を手に取る気力も無くなりました。今回のことで、秋田市の郊外では、私が考えている活動や計画は現状ではできそうにもないという事がわかりましたし、秋田市役所が今までのやり方を変えない限りは今後も同様の状態が続きますので、秋田市の郊外は望み薄です。私にとっても子どもたちにとっても、ふるさとは秋田市ですので、できれば私が希望する秋田市郊外の物件に引っ越ししたいと思ってはいますが、気長に秋田市役所の変化を待つことはできませんので、しばらく悩んだ後で他の自治体への移転も検討する事になるかもしれません。
 
 ずいぶん前から引っ越ししたいと言いながら、何の進展もありませんが、しばらく更新していなかったので、とりあえずの近況報告です。また、私の他にも同じような体験をする人もいらっしゃると思います。この問題に初めて直面し当事者になっても、すぐに全体像を把握するのは難しいことですので、現状や問題点を整理して共有していただくための資料の一つになればと思います。
 
(私と同様に市街化調整区域の空き家の活用を計画している人が、身近なところで私以外にも3組いらっしゃいます。おそらく、秋田市の制度運用の影響を受ける人は、ほかにも相当な数に登るのではないかと思います。)

 以下に、制度についてもう少し説明します。
 
 
「都市計画法第34条などについて」
 
 市街化調整区域には、無秩序な市街化を防止するために、様々な開発規制があります。しかしながら、開発行為を規制するだけでは既存の地域の維持や活性化を図ることができないので、規制緩和の法令も用意されており、都市計画法第34条は、市街化調整区域の開発規制を緩和する趣旨の法令です。
 
 開発を規制し市街化を抑制する事が重要であった過去の成長期の社会とは異なり、現在の社会では急激な人口減少・少子高齢化から派生する様々な問題に直面しています。既存集落の維持と活性化も大きな課題となっており、市街化調整区域の開発行為に関しての法令の解釈や運用にも、時代と地域に合わせた柔軟さが求められるようになっています。そのため、自治体ごとの法令の解釈と運用は一様ではありません。自治体ごとの問題意識や危機感の持ち方の違いが、現れていると思います。
 
 第34条は1号から14号までありますが、1号では公益施設と店舗について定められています。1号店舗については、日用品の販売・加工・修理の店舗が認められます。地元の人の利便性確保のための店舗を認める趣旨の法令だと思いますが、法令の文章は次の通りです。「主として当該開発区域の周辺の地域において居住している者の利用に供する政令で定める公益上必要な建築物又はこれらの者の日常生活のため必要な物品の販売、加工若しくは修理その他の業務を営む店舗、事業場その他これらに類する建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為」
 
 前半の「主として当該開発区域の・・・」を重視すると、地域を限定することが主眼になり、秋田市のような客数の過半を当該地域内でといった運用につながります。後半の「これらの者の日常生活のため必要な物品の・・・」を重視すると、住民の日常生活ために店舗が必要と言う事が重視され、柔軟な運用になる事が多いと思います。どちらの場合も、国土交通省は容認する立場です。各自治体の判断に委ねられている部分が多いので、人口減少が進み既存集落の維持が難しくなっている自治体は、柔軟に解釈し運用することが可能なのです。

 第34条1号については、現在の社会の中では、商売を狭くその地域だけに限るという意味で解釈するべきではないと思います。秋田市のような要件で運営すると、地元の人が利用できるはずの店舗もできませんので、法令の趣旨であるはずの地元の人の利便性の確保を、秋田市の制度の運用が阻害する結果になってしまいます。市街化調整区域の住人が得るべき利便性の権利を、秋田市役所が損なうことになるのです
 
 大型店での買い物はもちろん、食料品も日用品もインターネットで購入する事も当たり前になっている中で、人口の少ない郊外で事業展開するのは簡単なことではありません。
 
◯地域の住民に利用してもらえる事業に努めること。 
◯地域の維持と活性化の促進に努めること。
◯交流人口や関係人口の拡大に努めること。
◯地域と調和し持続可能な事業に努めること。
 
 客数の過半を当該地域内でと言う古くからの前例踏襲よりも、上記のような姿勢こそが重視されるべきだと思います。これは、市街地でも郊外でも同じことだと思います。事業を行うからには、事業主は誰もが真剣に事業について考えています。市役所の古く狭い要件に当てはまる店舗や事業が、現在の社会に求められるベターなものだとは思えません。商売をしたこともない若い市役所職員から、現在の社会状況を無視した古い制度に基づいて事業を禁じる説明をされる事がどれだけ理不尽なことか、市役所職員にはわからないと思います。
 
 また、第34条11号の区域指定は、既存のまとまった戸数のある集落を地域指定して、柔軟に市街化区域並みの開発緩和を可能にするものです。指定された区域内では、市街化調整区域であっても、農家等ではない一般の人が住居などを建てられるようになります。お隣の潟上市では、店舗・事務所・宿泊施設・小規模工場などを認める運用をしています。それと比べると秋田市の緩和内容は魅力に乏しく、既存集落の維持と活性化のためにも十分な内容とは言えないものです。
 
 秋田市は最低限の緩和のみで、一般住宅と店舗兼用住宅が認められますが、それは第一種低層住居専用地域と同等の開発を認める内容です。11号指定区域内で認められる店舗兼用住宅は第一種低層住居専用地域の基準で可否が決められますが、店舗や事務所は「周辺地域」の住民を対象としたものでなければならない要件があるので、1号店舗でも11号指定区域の店舗兼用住宅でも、秋田市ではどちらも過半の顧客を地元でということになります。
 
 ちなみに、「周辺地域」とは具体的にどの程度の範囲を言うのかは定められておらず、対象となる業種も定められておらず不明確ですが、どちらも市役所の職員が市民の話しを聞きながら、その時々で判断するとのことでした。前例踏襲で昔ながらの不透明な業務を行っているのが現状なのだと思います。「俺がルールブックだ」と言った昔のプロ野球の審判の逸話を思い出しますが、市の職員が審判でありルールブックということなのでしょう。
 
◯例えばパン屋に人気が出て地域外から客が来たらダメなのか。
◯地域外の人が見るチラシを出すのはダメなのか。
◯SNS等で広く店の宣伝をするのはダメなのか。
◯営業不振の場合に外に向けて営業・宣伝をしたらダメなのか。
 
 11号指定区域の店舗兼用住宅について、市の職員から「周辺地域」の住人に対する事業でなければ認められないと繰り返し説明を受ける中で、以上のように思いついた事をいくつか質問しましたが、 具体的な回答はなくほとんど無言の対応でした。商売では、お客さんを店側が選べるわけではありません。住所確認をして限られた地域の人にだけ売るなどということも普通はできません。店舗も市役所も、昔からの前例踏襲では現在の社会に合わせた業務ができません。市街地も含めて、高齢化が進み買い物にも不便が生じてきている中で、地域に店舗を設けるためにはどうすれば良いのかの模索をしているのが、現在の社会です。そのために用途地域の見直しを進める自治体もあります。許認可権を有する秋田市役所が危機感を持って、時代に合わせて制度と業務を変えてくれないと、できるものもできなくなるばかりです。
 
 少し前まではICT最近はDXという言葉を見かける事が多くなりましたが、デジタル技術や情報技術の活用はあらゆる分野に共通する現代社会のテーマです。もちろん、スマート農業という言葉もある通り、農山村や既存集落でもデジタル技術や通信技術は利用できるものですから、郊外で行う多くの分野の事業の生産・加工・販売に積極的に利用し活用することは当然のことです。市街化調整区域の事業や店舗でも宣伝や販売に現在の新しい技術を活用するのは当たり前です。周辺地域で売上や客数の過半などと言っていられるような、地域に人がいて活力があり余力のある社会ではないのですから、都市計画法が施行された55年前と現代の社会を、同じ基準で考えていくことなど無理な話です。これからますます早く大きく世の中は変わっていくと思います。その中で、市役所だけが古いままで許される余地など無いはずです。
 
 DXのひとつと言えるかもしれませんが、新たな技術の活用の一つとして最近進歩の著しいAIは一部の自治体での利用も検討されています。私も代表的なサービスの一つの「ChatGPT 」を利用してみました。その結果を3例だけここに紹介します。
 

質問:空き家の利活用の禁止
ChatGPTの回答

空き家の利活用を禁止する理由はあまりありません。空き家を放置しておくと、風化や荒廃が進んで周囲の景観を損ねることや、防犯上の問題が生じることがあります。また、空き家を利活用することで、地域の活性化や観光振興、新たな産業の育成などのメリットも生まれます。

質問:周辺地域だけを対象にする商売

ChatGPTの回答

周辺地域だけを対象にする商売は、地域経済にとって重要な役割を果たすことがあります。周辺地域には、住民や観光客などが存在し、それらの人々にとって必要とされる商品やサービスを提供することができます。また、周辺地域には地域資源があり、それらを活用したビジネスを展開することで、地域経済の活性化につながる可能性があります。

ただし、周辺地域だけを対象にする商売には、人口減少や地域の老化、過疎化といった課題がある場合があります。そのような状況では、周辺地域に住む人々の需要が限られ、ビジネス展開に苦戦することが考えられます。そのため、周辺地域に加えて、広い地域や都市部など幅広い顧客層を獲得できるビジネスモデルを構築することが求められます。


質問:市役所の古い制度の見直し

ChatGPTの回答

市役所の古い制度の見直しには、次のようなアプローチが考えられます。

1.制度の目的と現実の状況を比較する:制度が設けられた当初の状況と現在の社会や経済環境を比較し、制度の目的が果たされているかどうかを評価することが重要です。

2.制度の効果を評価する:制度が本来の目的を果たしているかどうかを評価し、効果が低い場合は、改善する方法を検討する必要があります。

3.調査と分析:市役所において、古い制度について調査と分析を行い、現状の問題点や課題を明らかにすることが必要です。これにより、改善すべきポイントを特定することができます。

4.関係者の意見を聞く:古い制度の改善には、市民や利用者、市役所職員など、関係者の意見を聞くことが重要です。関係者の声を反映し、改善することで、より効果的な制度が作られることが期待できます。

5.制度の簡素化:制度が複雑である場合は、簡素化することで改善できます。また、オンライン化や自動化などのテクノロジーを導入することで、制度の簡素化ができる場合もあります。

6.制度の廃止:古くて使われなくなった制度は、廃止することも必要です。ただし、廃止には議論や調整が必要な場合もあります。

これらのアプローチを組み合わせて、市役所の古い制度を見直し、改善することができます。
 
 ChatGPT からの回答の3例です。いろいろな問いをしてみましたが、おもしろいものだと思いました。もちろん、ちょっと違うと思うこともありましたが、想像していた以上にまともな回答が日本語で即座に出てきます。かなり自然な日本語の文章で、技術の進歩に驚きます。秋田市役所も、急激な社会環境の変化に合わせて、もう少し先進的で柔軟な取り組みを目指してくれるといいのですが。
 
 話を戻し、秋田市役所は11号指定区域で第一種低層住居専用地域と同じ内容での開発しか認めていませんが、その理由として都市計画課からの説明は二つありました。一つは、「市街化区域の外縁部が第一種低層住居専用地域になっているから、その外側の11号指定地域も同等にする」と言うものです。秋田市の用途地域の地図を見ると、この説明が不正確なのはひと目でわかります。複数の用途地域が混ざっていることによって、市街地の外縁部でもお店などが営業されています。用途地域が混ざって構成されているから、市街地外縁部でも日常生活の利便性が一定のレベルで保たれているのです。もしも第一種低層住居専用地域だけで構成されていたら、それは相当に不便な地域になります。
 
 市街地から少し離れた場所にある11号指定区域は、離れ小島みたいな立地ですから、そこが用途地域の中で制限が最も厳しい第一種低層住居専用地域としてしか使えないとなれば、すでに人口が減り既存商店が廃業した地域には新しいお店などはできず、利便性が損なわれた場所になってしまいます。もともと市街化調整区域には用途地域は定められていないのですから、既存集落の維持と活性化に結びつくように、もっと柔軟に開発緩和の内容を考えるべきだと思います。
 
 都市計画から説明されたもう一つの理由は、「地価の安い11号指定区域で店舗などの要件を緩めると、市街化区域の人が11号指定区域に引っ越してしまう。」というものでした。利便性や生活環境が同じであれば、地価の安い場所に住むと言う単純な選択もあり得るかもしれませんが、実際にはそんな単純なことではありません。近くにスーパーもコンビニも無く地域の商店さえもが廃業し、市街地よりも人口減少が進み空き家や廃屋が目立つようになり、地域の学校が統廃合の対象になり教育環境は激変し、土地の資産価値は低いというのが、11号指定区域を含む郊外地域の実情です。市街地と比べると大きな違いがあります。秋田市役所の説明は、こういった現実の違いを無視した説明だと思います。私自身、郊外の11号指定区域に引っ越しを考える中では、すでに若くはない自分の老後のことを含めて様々な事を考えましたし、同居し将来は家や土地を継承する家族とも、日常生活や将来の事などで相談を重ねました。地価が安いから引っ越すと言う単純な選択ができるわけではありません。
 
 私のように、郊外の空き家の活用を都市計画課に門前払いされてきた人は、要件が緩和されれば確かに引っ越しが可能になります。でもだからといって、大きな人口の移動は起こらないと思います。多少の開発緩和によって、もしもそんなことが起こるとしたら、開発できる内容が大幅に緩和されている後述する河辺・雄和地域の11号指定区域は、市街地の人口減少の原因と指摘されるほどに人口が著しく増えているはずです。でも、そのような事実は無いと思います。
 
 少し違った角度から考えてみると、11号指定区域で第一種低層住居専用地域と同じ内容でしか開発を認めないのは、市街化調整区域の11号指定区域に人口が増えないように制度を考え業務を行っているからだと、都市計画課は自ら述べているようなものですが、それはつまり、秋田市役所が課題とする既存集落の維持と活性化とは真逆の事を、都市計画課が意図して行っているということになります。既存集落の維持と活性化のための有効な対策を知っているのに、わざと行っていないと述べているようなものだと思います。仮に、店舗要件などの緩和で既存集落の人口が増えるのであれば、既存集落の維持と活性化を図る秋田市役所の各種の計画に則した緩和と言えますから、積極的に緩和を検討するのが計画立案者の責任だと思います。
 
 また、秋田市の11号指定区域内に家を建てる(所有し住む)場合には、申請者や家族構成員が秋田市内に他に家や土地を所有していないなどの条件があり、秋田市内の市街地と郊外の二地域居住・二拠点生活の推進などには結びつかない制度運用になっています。複数の拠点での居住・生活・活動は、都会と地方の組み合わせのイメージが強いかもしれませんが、秋田市の規模や地域ごとの多様性を考えれば、同一市内の市街地と郊外の二地域居住・二拠点生活は十分に魅力があり可能性があるものです。今後ますます空き家が増えて家が余る状況が加速していくことを考えれば、二地域居住・二拠点生活の推進は必須のものになります。使う人よりも家が多くて余って困っているわけですから、まずは地元の人間の二地域居住・二拠点生活を実現しやすくする事を考えるべきだと思います。
 
 市民の二地域居住を実現しにくい制度を設けている都市計画課ですが、都市計画課が作成した「第4次秋田市国土利用計画」には、「集落部においては、市内外からの移住・二地域居住の受け皿として、空き地・空き家等低・未利用地の活用を促進します。」と書かれています。同様の主旨の記述は複数の計画書に何度も書かれています。書いてあることは、現在の社会情勢の中では当然のことですが、残念ながら実際の制度や運用に実効性が無く計画倒れなのではないかと思います。
 
 空き家が日増しに多くなり続けていて、多くの地域の人口が減り続けて衰退傾向が明らかな秋田市の現状を考えると、11号指定区域内の市民の活動については、もっと柔軟に認めていくべきだと思いますが、現在の秋田市役所にはそれを期待するのは難しい状況です。農山村・既存集落は、農業だけでなくあらゆる分野と連携しなくては地域を維持していくことが難しい状況になって来ています。それを言っているのも秋田市役所ですし、その活動の足を引っ張るのも秋田市役所なのです。
 
 秋田市には公立美大や、市立美術工芸専門学校からの歴史を持つ附属高等学院などがあり、ものづくりの人材が育つ背景があります。それは長年に渡り秋田市が投資してきている分野でもありますので、市内のベテランや若者などの広い人材が、11号指定区域を含む秋田市の郊外で、創作活動や事業活動を活発に行うことができる環境を整えることも考えられて然るべきだと思います。中心市街地の芸術文化ゾーンとともに、市内に広く面としての創作事業の広がりを実現するのは、理想的な事なのではないでしょうか。クラフトやアートは、秋田市郊外の自然豊かな地域に調和しやすいものです。そこに、農山村の地域資源を活かした半農半エックス的な事業の新しい形も生まれるかもしれません。地元の人材と空き家も含めた地域の資源を活かすことは、秋田市の大きなテーマだと思います。
 
 他にも、秋田大・県立大・国際教養大などの教育機関が秋田市にはありますので、様々な分野の新しい試みや活動を秋田市の郊外でも実現しやすいようにしていく取り組みを、積極的に行っていくべきだと思います。それは、交流人口や関係人口の拡大につながり、移住定住促進策にもなり、農山村や既存集落の維持と活性化に有効なものになると思います。

 それから、市街化調整区域に住んでいる、あるいは土地や空き家を所有している当事者でもご存じないことが多いと思うのですが、実は秋田市の市街化調整区域の開発許可の内容は地域によって一様ではありません。河辺・雄和地域には12号指定区域があり、開発許可の内容が大幅に緩和されています。12号指定区域は、区域・目的または用途を限って開発行為を定める区域です。秋田市の公式サイトの「都市計画区域の統合に伴う新たな開発許可基準について」のページ内に記述されている次の文章に示される開発が可能になっています。
 
 「河辺・雄和地域で市街化調整区域になる土地は急激に規制が厳しくなるため、市の条例で、当面の間、主要な道路に接する土地(道路に6メートル以上接し、奥行きが概ね100メートルまで)について、工場、事務所、アパート(共同住宅)、店舗(床面積の合計が3千平方メートルを超える店舗は除きます。)などを建てることができるようにしました。」と書かれています。
 
 河辺・雄和地域の12号指定区域では、11号指定区域よりも幅広く開発行為が認められており、店舗の場合、第34条の1号店舗の制限も受けませんので、日用品の販売・加工・修理と言う1号店舗の業種の制限や、当該地域で売上の過半が必要という都市計画課の要件も関係ありません。12号指定単体で見れば、準工業地域で開発可能なものから、住居・兼用住居・3000㎡以上の店舗を除いたものが対象になります。(次に述べるように、11号指定と重複指定されている区域は、更に開発内容の幅が広がります。)
 
 秋田市との2005年の合併後の緩和措置ということになりますが、厳密に言うと12号指定は河辺・雄和地域の市街化調整区域が定められた2014年からの緩和措置です。実質的には市街化調整区域が定められる2014年以前も、合併後の制限は緩かったわけですから、合併後18年になる現在までもそしてこれからも、河辺・雄和地域の優遇状態は続くことになります。都市計画課が作成した第7次秋田市総合都市計画には、河辺・雄和地域の郊外既存集落の維持についての記述で、「市街化調整区域における既存集落の維持・活性化に資する都市計画法第34条第11号および第12号の条例制度を継続し、地域活動の活性化を図ります。」と書かれています。
 
 河辺・雄和地域の市街化調整区域内の主要幹線道路沿いはほとんど12号指定されている状態で、11号指定区域は12号指定と重複して指定されています。そのため河辺・雄和地域の11号指定区域では、住居から店舗まで巾広く開発が可能になっていますので、合併前からの秋田市の11号指定区域と比べると、開発緩和の内容には大きな格差がある状態です。税金で運営されている市役所の制度設計として問題があり、同じ市民に対して著しく公平さに欠けている制度だと思います。直接的に市民の所有する資産の利用価値を左右する制度ですので、市民の権利や利益に影響する大きな問題だと思います。
 
 河辺・雄和地域に緩和措置の継続が有効であり必要であるならば、合併前からの秋田市の各地域でも開発緩和を認めて、格差の是正を図るべきだと思います。12号指定を秋田市全域にとは言いませんが、1号店舗の要件を見直したり、11号指定区域内での開発の可能性を広げたり、既存建物の柔軟な用途変更を可能にする必要があります。それは市民に対しての公平性のある制度設計につながるものですし、空き家の利活用を促進し、既存集落の維持と活性化のための有効な対策になり得るものです。
 
 ちなみに、河辺・雄和地域の市街化調整区域でも、11号・12号指定されていない場所は、秋田市の他の地域の市街化調整区域と同等に利活用性が低い状態になっています。秋田市の市街化調整区域全体で、次に説明する用途変更などを積極的に適用していく必要があると思います。
 
 
 
 都市計画法第42・43条の既存建物の用途変更については、より柔軟な運用を行う方針を、国土交通省は開発許可制度の運用指針の中で明確にしています。空き家等の用途変更については、既存集落の維持活性化に資する宿泊施設や飲食を提供する施設などが、認められるべき例として明確に示されています。その中で、店舗などに使えるようにする用途変更も自治体の裁量で可能であることは、国土交通省の担当課の職員と話しをして直接確認しました。国土交通省の担当課の職員とは、今までに2時間ほど電話で話しをしましたが、古く融通の効かない硬直した運用も、新しい弾力的で柔軟な運用も、国土交通省はどちらでも自治体の裁量による運用を認める立場です。この許認可権限を持つ自治体の裁量に解釈と運用を委ねる立場は、秋田県の担当課でも同じです。この用途変更についても第34条の様々な規定についても、開発許可制度をどのように解釈し運用にするのかは、許認可権を持つ秋田市役所次第と言うことです。
 
 秋田市でもその気になれば、地域の状況に合わせて柔軟な解釈と運用をすることが可能なので、私が考えていた小屋の活用も用途変更の指針に沿って認められても良さそうなものだと思います。でも、秋田市役所には積極的な運用をする姿勢はありません。唯一認めているのは、11号指定区域の空き家を賃貸住宅にすることです。住む人がおらず衰退して空き家が増えている市街化調整区域で認めているのが、なぜか空き家を賃貸住宅にすることだけなのですが、どういう考え方でそうなるのかはわかりません。何か対策をしているように見えるけれども、実際にはできるだけ効果のない制度にすることを狙っている。私にはそのように感じられます。
 
 この市街化調整区域の既存建物の用途変更については、東京都でさえ、空き家と空き校舎を対象にいくつかの用途変更を認めています。元々の国土交通省の運用指針と同様に、東京都の運用には11号指定区域と言う縛りはありません。どうして秋田市のような人口減少に苦しむ地方都市が東京都よりも柔軟性が無いのか、秋田市役所は自ら定めている各種の計画とも照らし合わせて論理的にその説明ができるのか疑問に思います。頭が硬すぎると言えばいいのか、工夫が足りないと言えばいいのか、本当に全く秋田市役所の思考法がわかりません。空き家だけでなく空き校舎も秋田市では増えており今後も増えますので、市街化調整区域の空き家と空き校舎の利活用を、もっと積極的に推進する姿勢を、秋田市役所にも持って欲しいと思います。農山村の空き家に多い作業小屋なども貴重な資産ですから、積極的に利活用を図るべきだと思います。
 
 私はこの分野についての専門性は持ち合わせておりませんが、調べれば調べるほど、市の計画や施策に一貫性が無く、市の業務の支離滅裂さを感じるようになりました。もっと柔軟にしていかないと、市街地でも郊外でも秋田市の人口減少や空き家増加の問題は深刻になるばかりだと思います。行政だけでも対処はできませんし、市民だけでも対処はできません。協調してできることを、スピード感を持って増やしていくしかないと思います。秋田市がこのままでいいはずはなく、変わらなくてはなりませんね
 

参考リンク 

下記のpdfは説明用資料として作成したものです。
 
最初に秋田市の市街化調整区域についてまとめた別の記事です。
 
 
 参考に、秋田市が市街化調整区域の利活用について消極的な要因の一つではないかと思っていることがありますので紹介しておきます。それは、国土交通省の資料でまちづくりの失敗例として、過去に秋田市が取り上げられていることです。この資料では、市街化調整区域の大型宅地開発や拡散型の都市構造が良くない例として具体的に指摘されています。(既存集落等ではなくて、あくまでも市街地の無秩序な拡散が問題にされていると言う点が重要です。)
 
当該資料のホームページ
 
上記ページ中で秋田市が出て来る資料。A市は秋田市だと思われます。
 
 まちづくりの方針でコンパクトシティと言う言葉が使われるようになってから、市街化調整区域を含めた秋田市の縮小と言うイメージで考える人が市役所職員にも多くなっているように感じます。立地適正化計画の居住誘導地域と言う言葉も、市街化調整区域の利活用策を消極的にさせていると感じます。
 
 でも、コンパクト化の主な対象は市街地です。コンパクトシティは、無秩序な拡散を続けた秋田市の市街地の再構成と、都市機能の合理的配置の話だと思います。秋田市が認めてきた大型開発による、拡散型の都市構造の修正が求められているのだと思います。決して、歴史的地理的必然から形成されてきた、郊外の既存集落の縮小を促すようなものでは無いはずです。これはすごく大切なことで、秋田市の市街地の拡散の失敗と既存集落の維持と活性化は、全く別の話として理解する必要があります。
 
 既存集落が今後も維持と活性化を図るべき場所であることは、国土交通省や秋田市役所の各種計画書の中でも明言されています。国土交通省の「『農地付き空き家』の手引き~ 田園回帰等の移住促進に向けて空き家や農地を地域資源として活用 ~」の中では、「住宅は国民の貴重な資産たる不動産ストックであり、流通等を通じてその有効活用を図ることは、所有者にとって資産活用になるばかりか、我が国の社会経済にとっては豊かさの向上につながるものです。」と述べられています。
 
 しかしながら、市街地におけるコンパクトシティ政策と郊外の既存集落の維持と活性化の課題について、考え方の整理や切り分けが不十分な場合が少なからずあると、秋田市役所の職員と話しをしていても感じます。私を含めて一般市民が計画しているのは、多くの場合は既存集落の既存建物の活用ですから、それは推進されるべきものです。もし秋田市役所が制限することを考えるとしたら、それは秋田市や企業が行う市街化調整区域での大規模開発についてというのが道理です。
 
 中心市街地の活性化などの近年の新たなまちづくりの計画は、まだ十分な効果が出ているとは言えませんが、活性化に官民挙げて取り組む姿勢があることは、中心市街地に住んでいるので私もある程度は感じることがあります。あいかわらず秋田駅前の商業ビルの衰退は激しいものがありますが、マンションの増加で街の構造は少しずつ変わりつつあるとは思います。マンションの新築数の増加は、居住人口が増える要素ではありますが、もしも近隣の古いマンションに空きが目立つなどの現象が今後現れれば、純粋な居住人口の増加はマンション建築数ほどではない可能性もあると個人的には予想しておりまして、先行きは依然不透明だとも思っています。
 
 秋田駅前の衰退傾向がまだまだ強く感じられる中で、秋田市役所が計画する外旭川開発は、中心市街地の活性化にとってはマイナスに作用する部分が多くなると思います。上記の国土交通省の資料にも出てくる大型店の郊外立地や拡散型都市構造の問題と重なるものですし、11万坪以上の市街化調整区域や農地を転用して大型商業開発を行うこの計画について、以前は否定的であった秋田市役所がどうして急に前のめりになったのか不思議に思います。市街化調整区域で新たな大型開発を行う前に、まずはすでにある既存集落等の維持と活性化を進めるのが、まちづくりの順序だと思います。
 
 外旭川開発とは異なり、郊外の古くからある既存集落の維持と活性化の課題は、中心市街地のまちづくりの失敗の要因となった拡散型都市構造とは全く異なる問題です。上記の国土交通省の資料でも指摘されているような、市街化調整区域でのこれ以上の大型宅地等の開発は慎むべきですが、既存集落の維持と活性化には力を入れていかなくてはなりません。今後はもっと真剣に実効性がある形で市街化調整区域の利活用の課題に取り組んでいかないと、秋田市は郊外の既存集落の維持と活性化の取り組みでも失敗例になってしまうかもしれません。空き家の増加も止まらず、待ったなしでどんどん建物は傷んでいきますので、とにかく早く対応していく必要があります。

 今回の私の体験に直接関係することではありませんが、近年の秋田市の重要事案となっている外旭川地区の開発については、同じ市街化調整区域の開発事例として触れないわけにはいきませんので、何度か言及しています。外旭川開発の目的は「人口減少下でも持続可能な社会基盤の構築」「交流人口の拡大による新たな活力、魅力づくり」の2つとされていますが、それは新たなインフラ整備が必要なイオンを中心にした大型開発の目標としては無理があると思います。どちらかと言えば、市民の小規模な活動にこそふさわしい目的なのではないかと思います。「社会基盤」という言葉も、昔であれば各種のインフラや箱物を意味したと思いますが、現在の社会環境の中ではとにかく「人」なのではないかと思います。「人」こそは最も大きな秋田市の財産ですから、市民が活動しやすい制度や環境の整備こそが、「人口減少下でも持続可能な社会基盤の構築」「交流人口の拡大による新たな活力、魅力づくり」につながると思います。
 
 また、最近になってようなく情報が広く明らかになってきたことですが、外旭川で開発計画の対象地とされる市街化調整区域・農地は、国の補助で用水路などが整備された「受益農地」であるため、農地転用して開発を進める場合は、国に5000万円前後の補助金を返還する必要もあります。有望な農地として整備してきた外旭川で、農地転用し市街化調整区域の指定を解除することが必要となる大型開発が計画されて、しかも補助金の返還も必要になるというのは、何とも変な話だと思います。
 
 秋田市が最も避けるべき、農地転用した上でのスプロール(無秩序な市街化・都市化)そのものと言ってもいいような大型開発を、秋田市の税金から国に補助金を返還してまで実現しようと注力しているのに、既存集落の既存建物を利活用するスプロールの懸念の無い市民の活動を過度に制限する市役所は、いったい何を考えているのかは私には全く理解できません。市街化調整区域の既存集落の既存建物の利用を認められない理由として、市街化調整区域はスプロールを防ぐためのものだからと私は何度か秋田市役所から言われています。ですが、秋田市役所こそが、市街化調整区域でスプロールを招く一貫性のない支離滅裂なことを実施しようとしていると感じます。こんなに矛盾したことを市民に押し付ける市役所を見るとため息が出てしまいます。
 
 外旭川開発が、本当に将来のためになるもので、次の世代の負担にならず、他の地域や地元資本の企業にマイナスの影響のないものであれば実現すればいいと思います。外旭川開発に注力する以上に、他の地域の活性化のためにも注力しお金も使えばいいと思います。外旭川の開発のような内容の計画を立案するならば、当然のこととして秋田市の市街化調整区域の開発許可制度の運用状態を柔軟に見直して、まず真っ先に既存集落の維持と活性化に取り組む活動をする市民を後押しする姿勢を、秋田市役所には明らかにしてほしいです。 このままでは、市役所の制度や業務はあまりにも異様です。
 
 秋田市役所では様々な立派な計画が作成され、既存集落の維持と活性化の課題が何度も述べられていますが、それを実現するために必要な業務や制度の調整やすり合わせが、市役所の各部署の間で十分に行われていない状態です。そのため、既存集落の維持と活性化は計画倒れの状態になっていると思います。既存集落の維持と活性化に取り組む活動を考えている市民に対して、不誠実な業務になっていると思いますので、早急に改善されることが望まれます。
 
 市役所は税金で仕事をしている組織なのですから、社会の変化に合わせて効果のある業務を行ってもらわなければ困りますが、郊外の既存集落の衰退が進み空き家が日毎に増えているのに、秋田市役所の業務はそれに対応できていないと思います。これだけ社会環境に適合せずユーザーのニーズにも応えられない業務をもしも民間企業が行ったとしたら、とっくに倒産しているのではないかと、そんなことも思います。組織としての計画や業務を統括する仕組みがなく、各部署が計画をバラバラに立てて、開発担当も営業担当も広報担当も目的を共有せず、業務でも協力せずに、成果に結びつきにくい仕事をしている。市街化調整区域の既存集落の維持と活性化について見れば、秋田市役所はそういう状態だと思います。

 最後に、市役所が今すぐにやるべきだと私が思っていることを書きます。
 
◯外旭川開発のような新たな多くのインフラ整備が必要となる、市街地の拡大につながる特例の大規模開発を計画するからには、まずは既存集落の既存建物の活用などの市民の活動を推進する制度と業務を整える事が先決だと思います。大規模開発の前に、秋田市役所の各種の計画書に書かれている通りに、既存集落の維持と活性化を図るのが道理です。都市計画課が作成した第7次秋田市総合都市計画には、市街化調整区域の土地利用の方針として、「既存集落の維持・活性化や企業誘致等の本市の産業振興に資する計画的な開発は、都心・中心市街地および地域中心への影響や市街化の促進など周辺環境への影響等を勘案し、許容するものとします。」と書かれています。市役所自らが計画している外旭川開発を許可する意図で書かれた文章なのかもしれませんが、私たち一般市民の既存集落での活動は、「既存集落の維持・活性化」に資するものです。そして、大規模な開発とは異なり、「都心・中心市街地および地域中心への影響」を及ぼすものでもありませんし、「市街化の促進など周辺環境への影響」を及ぼすものでもありません。「許容するもの」の対象になるはずです。
 
◯河辺・雄和地域とそれ以外の秋田市の市街化調整区域の開発緩和内容に、地域間格差がありすぎます。同一市の市民なのに、所有する資産の活用性に格差が大きすぎる状態を放置するのは、税金で運営される市役所の業務として問題があります。合併前からの秋田市民の所有する資産の有用性や価値を損なう公平性に欠ける現行の制度を、今すぐに見直す必要があると考えます。
 
◯第34条1号で認められる店舗の要件を、全国一人口減少率が高い秋田にふさわしくなるように、柔軟に制度を運用している他県の自治体以上に弾力的に変えて、事業活動が地域の利便性の向上・空き家の利活用・交流人口と関係人口の拡大・コミュニティの維持と活性化などに結びつく内容に見直すことが早急に必要だと思います。狭い周辺地域で客数や売上の過半などという要件は、公開されている資料には明文化されていない、半世紀以上前からの古くからある前例踏襲だと思われますので、都市整備部・都市計画課内で見直しを申し合わせるだけで改善できるのではないでしょうか。対象となる業種も公開し、制度や運用の透明性を高めるべきだと思います。
 
◯既存集落の維持と活性化に結びつけるために、11号指定区域の開発許可内容をもっと柔軟な内容に変える必要があります。用途地域の中で最も制限の厳しい第一種低層住居専用地域と同等の開発内容しか認めない内容を、もっと緩和するべきです。河辺・雄和地域の緩和内容を考えれば、それ以外の地域で緩和措置を拡大することは当然のことです。地域の維持と活性化に資する事業活動ができるようにしていかないと、交流人口と関係人口の拡大を図ることも難しく、空き家問題の解決にもつながりません。空き家や廃屋が急速に増えている現状を考えると、対策は時間との戦いでもありますので早急な改善が必要です。秋田市役所は、もっと危機感を持って迅速に業務の見直しをするべきです。
 
◯秋田市内に他に家や土地を所有していると11号指定区域に家を所有し住むことができない細則は、すぐに廃止するべきだと思います。そもそも、秋田市が自ら二地域居住を推進する計画を立てている中で、実際には二地域居住を妨げる要件を定めていることには深刻な矛盾があります。このような矛盾を放置するべきではありません。秋田市の開発許可制度の細則は、都市整備部長の決裁で決められているものですので、矛盾の解消は難しいことではないはずです。

◯農山村・既存集落の維持と活性化のためには、農業だけではなく幅広い他の分野と連携し、共同して事業の推進を図る必要があります。そのためにも新たなインフラ整備の必要のない既存建物の用途変更をもっと柔軟に積極的に行い、農業以外の事業にも使えるようにするべきです。11号指定区域の空き家を賃貸住宅にすることしか認めていない制度運用も改めるべきだと思います。秋田市役所の都市計画課は11号指定区域の空き家の用途変更について、「空き家の賃貸住宅としての活用等」
をすると資料に書いています。この「等」の部分を広げれば、運用はもっと自由にできます。もともと人の住むあらゆる地域は、一つだけの用途で成り立つものではありません。複合的に使われてこそ維持できるものです。農山村・既存集落の活性化を図るために、産業振興部と都市整備部は制度と業務の調整やすり合わせを今すぐに行うべきだと思います。それぞれの計画が計画倒れにならないように、開発許可制度が現実的に有効に運用されるように、部署間の横の調整が早急に必要です。
 
◯秋田市の郊外地域に移住し既存建物を利用して起業を考える人がいるのに、建物の利用を許可せずその人が来るのを拒むような移住定住促進策など本来ならばあり得ませんが、秋田市役所はそれを実際にやっている状態です。人口減少・移住定住対策課と都市計画課は、制度と業務の調整とすり合わせを早急に行うべきだと思います。人口減少対策や移住定住促進は、言わば他の自治体との競争ですので、やる気のある人が活動しやすい環境を秋田市役所全体が協力してつくらなければなりません。補助金などの経済的な支援が移住定住促進策では重視されている気がしますが、空き家の利活用の柔軟な制度運用は、有効でコストがかからない対策になるものです。全国一人口減少率が高い秋田県の県都の移住定住促進策には、秋田市役所が一丸となって柔軟に取り組むべきだと思います。
 
◯計画を立てるよりも、それを実行するプレイヤーを見つけることが難しいのは、既存集落の維持と活性化にも言えることです。今回私がこの問題を考える中では、私を含めて何人ものプレイヤーとなる人材がすでに存在しています。著しい人口減少の中で、やる気のある人材や活動の機会を無駄にすることは許されません。人を活かす制度と業務を、市役所は真剣に考えて実現しなくてはなりません。それは、市役所と市の職員の基本的な仕事であるはずです。一つ一つの機会を逃さず、確実な活動につなげていく真剣さを、秋田市役所には望みたいです。山積する社会問題への対応は、行政だけでも市民だけでもできませんので、お互いに協力する姿勢が必要です。私たち市民の側は実際に活動して協力したいと思っています。秋田市役所はどうしたいのでしょうか。

◯急増する空き家問題の対策は、空き家を使いやすくするという当たり前のことが第一の対策となります。その第一歩は難しいことではなく、制度と運用の見直しでありコストもかからないことです。郊外の空き家の利活用を妨げている秋田市の古い制度運用を、都市整備部・都市計画課が現代的に見直すだけで、今後の秋田市にとってのプラスの影響は実に大きく即効性も高いものになります。それは、経済対策・移住定住促進対策・人口減少対策・空き家の増加対策・農山村と既存集落の維持と活性化の対策など、幅広い課題に対しての対策の基本となるものです。全国最速の人口減少と少子高齢化に直面する秋田こそ、弾力運用の先進地になって、既存集落の維持と活性化のモデルシティを目指せばいいと思います。半世紀以上前に施行された法律は、解釈と運用次第で古いままにもなりますし、新しい時代に合わせたものにもできます。もちろん、新しい時代に合わせた解釈と運用を行うことが、秋田市役所には求められます。国土交通省が柔軟な解釈と運用を認めている現在、どのような制度運用になるのかは秋田市役所の選択と工夫次第です。もしも今後も工夫不足の古いままにするとしたら、それは法令のせいではなく、秋田市役所の選択の結果ということになりますので、この社会情勢の中で何故そのような選択をするのかを、法令のせいにせずに秋田市役所が自ら論理的に説明する責任があります。
 
◯コンパクトシティと農山村・既存集落の維持と活性化は、矛盾の無い別の課題であることを、市役所の職員には理解し共有してもらいたいです。市街地と郊外の近さという秋田市の地理的価値を活かすことができるように、市街地と郊外の双方の維持と活性化に努めてほしいと思います。そして、できることから、とにかく早くやる事が重要であることを肝に銘じて欲しいです。現在の多くの喫緊の社会問題は、時間との戦いでもあります。急速な社会状況の変化に対応するためには、とにかく迅速な対応が必要です。また、インフラ維持の継続を行わないインフラ整備撤退区域の想定が今後あり得るのかもしれませんが、その場合は早期に情報公開していただきたいです。
 
 参考にChatGPTを利用してみた結果を紹介します。AIが生成した文章を、出てきた通りに下記に貼り付けます。かなり自然な文章のように思いますが、いかがでしょうか。

質問:コンパクトシティと市街化調整区域

ChatGPTの回答

コンパクトシティと市街化調整区域は、都市や田園地帯の開発における異なるアプローチであり、対象や目的が異なります。

コンパクトシティは、人口密度の高いまちづくりを推進し、都市部におけるスプロール現象を防ぎ、都市機能を効率的に活用することを目的としています。そのため、既存の都市機能を再利用したり、交通網の整備によるアクセスの向上を促進したりすることが重要とされています。

一方、市街化調整区域は、農地の保全を目的として、市街地の拡大や分散を抑制するために設定された地域であり、都市部ではありません。そのため、市街化調整区域内の既存集落の維持や活性化が求められます。また、空き家や廃屋の利活用や、農業や観光など地域資源を活用した産業の育成が重要とされています。

コンパクトシティと市街化調整区域は、異なる目的を持った異なるアプローチであるため、縮小させることを目的とするわけではありません。ただし、持続可能なまちづくりの観点から、適切な場所での開発が求められています。
 
質問:コンパクトシティと市街化調整区域の既存集落

ChatGPTの回答

コンパクトシティは、都市をより効率的かつ持続可能にすることを目的とした都市開発の手法であり、市街化調整区域の既存集落を縮小させることを目的としているわけではありません。むしろ、コンパクトシティは、都市の中心部や交通アクセスの良い地域に集中的な開発を行い、都市の拡大を制限することで、環境負荷を低減し、交通の便を向上させ、都市機能の効率化を図ることを目的としています。ただし、市街化調整区域内の既存集落も、環境や文化的価値を考慮しながら、適切に維持・管理されることが望ましいとされています。