2021/03/19

TY-半円テンプレート

 「TY工具シリーズ」は、私が自分で使いたいと思う道具を考えて、デザインや試作をしたのち、加工してくださるYOSIBUさんがさらにアイデアを加えてくださり完成に至る、オリジナル工具シリーズです。いずれの製品も、数に限りがあります。
 
 (企画デザイン・製作:TUZIE + YOSIBU)
 
  デザインや作図の時に、円弧を描きやすい半円テンプレートです。実用性が高い多段階の半径設定を、使いやすい形とサイズにまとめました。
 
 以前は、市販の半円テンプレートがありましたが、私の知る限りではだいぶ前に市場からは姿を消してしまいました。でも、私にとって半円テンプレートは作業に必須の道具なので、丈夫なガラスエポキシ製の半円テンプレートを作りました。
 
 少ない枚数ですが、クラフト社を通して販売される予定です。
 
 

 半円テンプレートには、分度器機能をプラスする角度メモリも印刷されています。ちょっとした時に手軽に使うことができます。
 
 半円を描くためのテンプレートですが、中心を合わせて半円ずつ描くと、円を描くこともできます。中心に穴が開いても良ければ、中心点にピンを刺して固定すると、より簡単な操作で円を描くこともできます。
 
 ピンは附属しませんので、必要な場合はご自分で用意して下さい。画像のピンは、カルコと言われる道具ですが、ホームセンターなどに行くと、いくつかのデザインの製品が販売されています。昔ながらのカルコとは違う、多機能なカルコもあります。
 
 何故か子供の頃からカルコが好きで、大して使うことも無いのに、作業台近くのコルク板に昔から挿しています 。子供の頃に見た大工さんの墨付け作業にでも影響されたのかもしれません。



 デザインや型紙づくりに使いやすいように、半径10ミリ〜95ミリまで、5ミリ間隔で18段階の半円を描くことができるようになっています。画像は、中心を決めて半円テンプレートの片側9段階の同心円を描いた図です。
 
 テンプレートの各所に開いている穴を利用して円を描くこともできますが、重要な使い方ではないので紹介は省きます。



 デザインや作図の時の、コーナーの丸みの設定に便利に使うことができます。鈍角から鋭角まで、半円テンプレートは多様な角度に対応しやすい形です。
 
 私は、このような型紙のコーナーの製図に愛用しています。他にも、カービングパターンのデザインなどにも使いますが、主にフレームなどの枠となる線を引く時にいます。



 バケツ構造のバッグの、底の型紙の製図に利用した例です。丸み部分の半円や角丸を簡単に描くことができます。この半円テンプレートの大きさに合わせて底の奥行きを決めると、手軽に正確な作図をしやすいと思います。
 


 これは、楕円の製図を示した画像ですが、普通はコンパスを使って作図する簡易な方法です。サイズは限られますが、半円テンプレートでも同様の楕円を描くことができます。
 
 赤い円弧の半径は、青い円弧の半径の2倍になります。楕円の長径は青い円弧の半径の3倍です。

 TY-半円テンプレートで簡単に描くことができる最大サイズは次の通りです。

 青い円弧の半径が45mm。赤い円弧の半径が90mm。長径が135mm。

 サイズや縦横の比率が限られるので、実用性が高いものではありませんが、作図遊びだと思ってお試しください。
 
 
 【注意】 
 素材のガラスエポキシと加工方法の特性により、断面にややざらつきがあります。気になる場合は、#1000程度の紙やすりで整えて下さい。まれに、ガラスエポキシの粉でかゆみが出ることがあります。粉が飛散しないように加工し、加工後は清掃や手洗いなどを十分に行ってください。テンプレートに過度に力を入れて曲げると折れる恐れがあり、危険ですのでご注意下さい。予告なく仕様を変更する場合があります。レザークラフト用に安全に留意してお使い下さい。