2021/03/20

TY-ブレードホルダー

 「TY工具シリーズ」は、私が自分で使いたいと思う道具を考えて、デザインや試作をしたのち、加工してくださるYOSIBUさんがさらにアイデアを加えてくださり完成に至る、オリジナル工具シリーズです。いずれの製品も、数に限りがあります。  
 
(企画デザイン・製作:TUZIE + YOSIBU)
 
  ある程度汎用性のあるように作ったブレードホルダーです。細かな裁断に使いやすい、軽量で細身のデザインです。
 
 刃は附属しませんので、別売りの替刃をお買い求めのうえお使い下さい。クラフト社で販売されている、28156 ストレートブレード(2枚入り)と28157 カーブブレード(2枚入り)がおすすめです。画像にある2種類の替刃です。
 
 以下の説明では、主にカーブブレードを用いて説明します。
 
 少ない本数ですが、クラフト社を通して販売される予定です。
 
 

 上の画像の赤い色を塗ったネジ2本が、刃を固定するためのネジです。ふだん操作するのはこの2本のネジだけです。他のネジは刃の固定には無関係なネジですが、もしも緩んだときには締めてください。ネジの赤い色は、説明のために塗ったものなので、製品のネジに色はついていません。
 
 細身のデザインで仕上げるために、ガラスエポキシ製の本体に直接ネジ山を切る仕様にしています。強度のある素材なので、普通に刃を固定する程度は問題はありませんが、ネジを強く締めすぎると本体のネジ山が破損する恐れがあります。 細身の精密ドライバー(マイクロドライバー)などを使うと、締めすぎのトラブルは起こりにくいのでおすすめです。
 
 

  使わないときには、刃を逆さにして収納しておくこともできます。安全に保管や持ち運びができます。刃の取り付け・取り外しの際には、刃で怪我をしないようにお気をつけ下さい。また、刃を逆さに取り付けるときには、刃がネジに接触して痛まないようにご注意ください。
 
 

 左のホルダーは、左利きの人におすすめの刃の取り付け向きです。右のホルダーは、右利きの人におすすめの刃の取り付け向きです。先端の2つのネジの頭が、刃の取り付け方や作業によっては視線の邪魔をするときがあるので、手に持ったときの内側に先端のネジの頭が来ないようにします。
 
 

 加工に必要な小さな穴を、一部の製品の本体の両端に設けている場合があります。上の画像の真ん中あたり、左側ホルダーの大きな穴のそばに一つ、そして右側ホルダーの先端のネジの間あたりにもう一つ、小さな穴があります。
 
 この穴は、ホルダーの正確な加工に必要なもので、製品の機能には影響しません。この小さな穴の有無は、主に材料の形状やサイズに応じて変わります。

 

 おすすめした替刃は、薄くしなる刃なので極端に厚い革の裁断には向きませんが、細かい曲線などが切りやすく、繊細な切り抜き作業にも向いています。また、切り終わりの刃の角度を調整しやすいのもカーブブレードの特徴です。



 替刃式の刃ですが、研いで使うことができます。左が初期状態で、この形のまま研ぐこともできますし、右のように多少形を変えて研ぐこともできます。
 
 カーブブレードの研ぎ方の一例を、以下に簡単に紹介します。



 カーブブレードは、空き缶の曲面を利用しての刃研ぎが簡単でおすすめです。左の缶には耐水ペーパー#1000を巻いています。右側の缶には床革を巻いて、グリーンルージュ(青棒)を塗っています。



 少量のオイルを使い、耐水ペーパーで刃を研ぎます。刃を研ぐときは、ホルダー本体がペーパーに当たらないように、刃を長めにすると研ぎやすいです。刃を当てる向き・角度によって、刃に当たる曲面の大きさが変わります。

 漠然と刃をペーパーに当てるのではなくて、どういう形に仕上げるかをイメージして、今どの部分を研いでいるのかを意識しながら研ぐことが大切です。
 
 

 ペーパーで研ぎ終わった刃は、革砥で仕上げます。空き缶に床革を巻き曲面革砥にして使います。革を切る刃の先端付近を特に丁寧に仕上げます。

 カーブブレードを用いての裁断作業で革砥を使う場合、刃先付近を整えるだけであれば、普通の平らな革砥で十分に使うことができます。
 
 
【注意】
 持ちやすいように、本体の角の面取り加工もおすすめですが、素材のガラスエポキシの粉でかゆみが出ることがまれにあります。粉が飛散しないように加工し、加工後は清掃や手洗いなどを十分に行ってください。刃の取り扱いにはご注意ください。予告なく仕様を変更する場合があります。レザークラフト用に安全に留意してお使い下さい。