2021/02/12

矢留フィリグリー:3(再投稿:2018年02月26日)

 

 家具と銀線細工という試みも行いました。家具工房 杢 の杉山さんに、銀線細工と組合せの可能な家具をお願いして作っていただいたのが、照明付き飾り棚です。その照明部分に銀線を配しました。

 拭き漆仕上げの和の雰囲気は、海外の各種の銀線細工関連の製品と比べても特徴のあるものになったと思います。国内向けには、逆に洋の雰囲気を取り込むなどの展開も可能です。



 会場で撮影した1枚です。私の写真の腕が悪くて良い写真ではありませんが、飾り棚の全体像がこれでわかります。左側に時計が写っていますが、これは革と銀線の組み合わせで作ったものです。



 同じ作者によるブラックウォルナットをオイルフィニッシュで仕上げが手箱です。蓋に銀線を施しました。



 木のやや硬質な質感と、銀線の柔らかな曲線の組合せが絶妙です。銀線の背景には革も使っています。



 こちらは、KEN弦楽器工房の斉藤さんの小箱と銀線の組合せです。鳥のモチーフは銀線細工では比較的目にすることの多い生物モチーフの一つですが、この鳥の構成はユニークで独創的なものです。

 鳥のモチーフの背景の真っ黒な木は、インド黒檀です。今はもう産出されず手に入れることの難しい素材です。私も、黒檀の本来の色を今回初めて知りました。本当に希少な材料なのです。
 


 同じく、楽器制作用の希少な材を使った寄せ木作りの雛人形です。ワンポイントの銀線モチーフが、やはり作品のアクセントとして効いています。



 引き出しにコンパクトに収納できるようなデザインで作ってくださいとお願いした作品です。ご覧のように、全てが土台の小箱に収まるようになっています。飾って良し、収納して良し、そんな一品です。