2021/02/14

矢留フィリグリー:5(再投稿:2018年03月16日)

 


 秋田には秋田杢目銅(もくめがね)という金工の伝統技法がありますが、杢目銅と銀線細工では盛んに行われた時代が異なっていたということもあって、二つの技法を組合せた作品がほぼありませんでした。

 その双方の技術を一人でできる作り手である内藤春海さんが制作した 銀線蓋付杢目銅筥 です。幾重にも巻かれた銀線細工の装飾のある蓋に、何十層にも金属を重ねた塊から叩き出し形作られた杢目銅の筥(箱)部分。加工技術も、色の仕上げ法も全く異なるものが要求される二つの技法で、一つの作品としてまとめ上げられています。



 こちらは帯留めとかんざし。銀線細工ならではの繊細で華やかな雰囲気は、こういった和の金具にも相性が良いものです。



 帯留めは和の金具ですが、いろいろな用途に使いやすい構造を持っています。革との組合せも容易で、帯留めをチョーカーのように使うこともできます。



 ブレスレットにも使いやすいですね。帯留めは、デザインやサイズを変えていくと、使い途がもっと広がっていく汎用性のある金具です。

 銀線細工の帯留めに触れてみて、とても面白かったので、さらにデザインを広げた展開を考えているところです。